皆さんは、介護業界についてどのようなイメージを持っているでしょうか?
明るい未来を描いている人、厳しい未来を予測している人など、
様々かと思います。
今回は介護業界の現在、未来について書いていこうと思います。
この記事を書いた人は・・・
櫻井
- 人材を定着させるプロ
- 施設管理者の大変さを軽減したい
- 1年間介護士離職率ゼロを達成
- 恒常的赤字から黒字転換
- 理学療法士10年選手
- カフェ好き
現在の介護業界は?
現在の介護業界はどういう状況でしょうか?
リスト化してみると
- 人員不足
- 介護報酬が上がらない
- 介護施設の買収が進んでいる。
- 待遇改善(給与UP)は数字に表れている?
- 介護の重度化が進んでいる。
こんな厳しいイメージがあります。
もし、このようなイメージがないのであれば
うまくいっている施設であるといえるでしょう。
今は、徐々にこのような傾向の施設が増えているという状況です。
待遇改善(給与UP)のところはわかりにくいので解説していきます。
待遇改善はわずかだが数字に表れている?
介護士の給与が安いということが課題の一つとして国は取り組んできました。
介護従事者の処遇などの調査を国は行っています。
平均給与が平成31年度に比べると2万円も上がっているではありませんか!
実際、現場で待遇改善の実感の話を僕は聞くことはありませんでしたが
こういう結果が出ているようです。
ということで、待遇改善は数字に表れた!というのが
国の見解と言っていいでしょう。
未来の介護業界の行方
では、現在を踏まえて未来はどうなっていくのか延長線上で考えてみましょう。
- 人員不足はもっと大きく進む
- 介護報酬は上げることが難しい
- 買収は進み大手がほとんどになっている
- 介護士の給与は少し上がる。(他職種の給与が下がる?)
- 介護度が3以上の利用者がサービスの対象に。より重介助に
何もしなければ、延長線上にはこのような未来が予測されます。
介護士の給与は少し上がりそうですが、施設の収入はあまり変わらない見込みなので
他の職種で帳尻を合わせる施設が増えそうです。
国としては要介護1~2までは保険給付外しを進めています。
すると介護施設のサービス対象は主に介護度3以上ということになりそうです。
介助の重度化がもっと進むと考えていいでしょう。
小規模の施設は立ち行かないところも増え、施設の買収などが進み
大手が増えるでしょう。
介護施設が倒産することは避けたい事態なので、国としても
ありがたいでしょう。
経営の厳しさは増しているので、安定的に運営してもらうために
資金的余裕がありつぶれにくい大手企業が増えることが好都合です。
人員不足も大きく進んでいるので採用がさらに困難になっているでしょう。
ブラック施設は運営がどうにもならず、買収されるか
運営そのものができませんから一気に淘汰が進みそうです。
そういう意味ではブラック企業は減るかもしれません。
厳しい未来を打破するにはどうすればよいか?
では、打破するためには何が必要でしょうか?
実は国は介護業界の未来を改善しようと
介護人材の確保・介護現場の革新について長期間議論しています。
補助金を出して介護施設を何とかホワイト
企業にして介護人材の定着を図ろうとしています。
都や有識者などで構成された介護現場革新会議を行っていて
下記のリストのような補助金をつけています。
- 業務改善支援事業
- 介護ロボットの導入支援事業
- ICTの導入支援事業
- 介護ロボット、ICTの導入支援
- 介護の魅力発信、業務改善支援業
- 元気高齢者など参入促進セミナー
複雑になるのでいくつか抜粋しています。
コンサルやロボット、ICT機器に補助金をつけています。
介護革新会議内での話なので、県が持ち帰って何をするかという
ところに大きく補助内容が左右されてしまいますが・・・
(ちなみに神奈川県に問い合わせたところ、ICTの補助金はやっていたが
R3年9月現在は使えるものはないとのことでした。)
この取り組みは的外れではないと考えています。
介護ロボットやICT化、生産性向上などによって
今いる人員よりも少ない人員で同じ業務ができるようになり
その余力で、介助の重度化に対応する。また
必要人員が減れば、その分給与に回すこともできますから
少しは給与を引き上げることができるかもしれません。
また、管理者もコンサルを入れてレベルアップして
様々な施策を行い、収益性を高めることができるようになるかもしれません。
まとめると
- 管理者をレベルアップし様々な施策を行えるようにする
- 各職員をレベルアップ対応力UPしできることを増やす
- 介護ロボット、ICT化によって労働削減
- 生産性向上による人員削減
これらによってこれからの厳しい介護業界を乗り越えて
行くことが、必要だと国は考えています。
逆に言えば、これがやれない施設は生き残れないでしょう
ということだと思います。
これだけやってもやっと、スタート地点と考えると
現実的にはうまくやれない施設も多く出てしまうというのが
実際のところでしょう。
まとめ
現状の延長上にはいい未来はなさそうです。
国の様々な策はすべての施設を救うわけではありません。
しかし、何もしなければ厳しい状況に陥るのは目に見えています。
施設運営者が立ち止まってしまっては、生き残れませんというのが
介護業界の現在、未来を想像すると見えてきた現実です。
未来はもっと厳しくなると考えると、
今はまだ改革できる余力がある状況です。
施設管理者は国の様々な施策を利用して、
施設の改善を繰り返して、
よりよい施設を作っていくために
常に走り続ける必要性がある業界といえるでしょう。